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想像力が暴走する、アニメ制作JK青春冒険録! 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』/アニメ評論家・藤津亮太のアニメな?マンガ【第4回】

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原作の映像化や、その逆のコミカライズなど、近年とても密な関係にある漫画と映像作品。でも、メディアが違えば表現方法やその内容も変わってくるもの。アニメ評論家・藤津亮太氏ならではの切り口で、アニメやドラマ、映画と関りの深い作品を紹介する漫画レビュー。観てから読むか? 読んでから観るか!? 第4回のレビュー作品はこちら......!



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『映像研には手を出すな!』大童澄瞳


 浅草みどりは芝浜高校の1年生。彼女のノートには、アニメにしたいと思って描いた異世界のイメージボードや設定画がいっぱい。


「私の考えた最強の世界。それを描くために私は絵を描いているので 設定が命なんです」


 近年見かけることも多い「アニメ制作マンガ」のひとつに分類されるであろう『映像研には手を出すな!』だが、その魅力は実は「アニメの制作過程」を追うこと以上に「想像力の暴走」にある。

 みどりにとって、あらゆるものが「自分の世界」を描き出すためのヒントだ。だから、部室としてあてがわれたボロ小屋の外壁の穴も「宇宙船についたデブリの衝突痕」になるし、穴の修理は「船外活動」になる。まるで赤毛のアンのような想像力。マンガは、そのみどりの想像力を現実の光景とシームレスに描き出す。そうして読者は、みどりの想像力のたくましさ、ユニークさにあっという間に巻き込まれてしまう。

 「誰も見たことのない世界をゼロから描き出すことができる」というのはアニメならではのロマンのひとつ。だから、みどりの想像力はアニメの魅力そのものといえる。彼女の想像力の暴走が描かれる本作は、つまり「アニメのロマン」そのものをテーマにした作品といえるのだ。そこが実に楽しい。


 そんなみどりとともに映像研を設立する2人のメンバーもユニーク。

 水崎ツバメは、カリスマ読者モデルで、アニメーター志望。ところが俳優になれと命じる親のせいでアニメ研に入ることができない。「アニメーターも俳優だ」と力説する彼女が目指す作画が、いわゆる"リアル系"なところもアニメファンならニヤリとするところ。
 そしてみどりの友達の金森さやかは、アニメに興味はないが、クールで現実的。みどりとツバメという組み合わせはいけると踏んで映像研の設立を2人に提案する。彼女は現実を忘れがちな2人に対するプロデューサー役だ。


 第1集では、3人の出会いから、予算審議用のプレゼン作品(若干『悪役一号』を思い出させる)制作、そしてを予算をめぐる生徒会との舌戦までが描かれる。果たして映像研はどこまで突っ走っていけるのか。

 本作を通じて、自分がどうしてアニメを好きになったのか改めて思い出す人は多そうだ。



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『映像研には手を出すな!』第1集、1月12日頃発売!




『映像研には手を出すな!』(「月刊!スピリッツ」にて好評連載中)

浅草みどりはアニメ制作がやりたいが、一人では心細くって一歩が踏み出せない。そんな折、同級生のカリスマ読者モデル、水崎ツバメと出会い、実は水崎もアニメーター志望なことが判明し......!?
金儲け大好きな旧友の金森さやかも加わって、「最強の世界」を実現すべく電撃3人娘の快進撃が始まる!!!
連載開始と同時にSNSで「すごい才能が現れた!」と話題騒然の作者・大童澄瞳が描く、アニメ制作×女子高生青春冒険録!



(文:藤津亮太)


1968年生まれ。静岡県出身。アニメ評論家。主な著書に『「アニメ評論家」宣言』、『チャンネルはいつもアニメゼロ年代アニメ時評』がある。各種カルチャーセンターでアニメの講座を担当するほか、毎月第一金曜に「アニメの門チャンネル」でアニメの楽しみ方を紹介するネット番組を行っている。(twitter:@fujitsuryota)

【2017/01/11】

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映像研には手を出すな! 1
大童澄瞳

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