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「ジャケ萌え!」4冊目 【ベイブリッジ・スタジオに聞いてみました!】伊波光司さん編

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読むだけじゃない、見て触って嬉しい単行本。なんだかカッコイイ! 可愛い、きれい、オシャレ!そんなグッとくる「マンガの装丁」の魅力をお届けする連載企画が「ジャケ萌え!」です。


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ベイブリッジ・スタジオ
1988年設立。コミック、雑誌、書籍、CD、DVD/Blu-ray、グッズ、宣伝物など多岐に渡るデザインを、総勢25名のデザイナーが手がけている



デザイナーの日常や裏側など、気になるあれこれを聞いてみる「ベイブリッジ・スタジオに聞いてみました!」シリーズ最終回は、ベイブリッジ・スタジオの専務取締役でもあるデザイナーの伊波光司さん。



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『すばらしきかな人生 ―ふたたび友郎― 』『すばらしきかな人生 ―まさみ― 』(それぞれ第1集、以下続刊)の装丁を担当した伊波さんにお話を聞いてきました!



――写真を使ったマンガの装丁は珍しいと思います。写真を使うアイデアはどのように決まったのでしょうか。


担当編集の加藤さんが「イラストを使わず写真のみでやってみるのはどうだろう」と提案してくださったのがスタートにあり、色々とアイデアを揉んでいるうちにイラストと写真の両方を使うことになりました。
『ふたたび友郎』のほうは舞台がバーだというのもあり写真の選定はスムーズでしたが、『まさみ』は現代のドラマなので何の写真にするかがちょっと難しかったですね。街や空の写真にする方向で進んでいましたが、あまりにそのへんの風景っぽいと記憶に残りづらい画になってしまう、という懸念もありました。
ところが、すごく印象的で素敵なイラストが上がってきたので僕も負けてられないぞ、と(笑)。あまり写真を全面に配してしまうとそちらが目立ってしまうので、余白を作ってイラストに視線が集中するよう作っています。



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最初のラフ。ここでイメージを固めてから、作画担当の若狭星さんがイラストを描く



――下のラフでは、全く雰囲気が異なるロゴもありますね。


最終的には、ストーリーを考慮して固めの書体をベースにしたロゴに決定しましたが、ちょっと外してみて若い人に手に取ってもらえるようなものも面白いなと思って作ってみました。
もう一つは、連載時は『ふたたび友郎』と『まさみ』のロゴって違ったんです。2冊同時発売なので揃えたほうがいいだろうと、今の形になりました。



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仕上がりに近いイメージに。写真の大きさによって生まれるカバーの違いといったら!



――ロゴといえば、ベイブリッジ・スタジオのみなさんにとったアンケートでも「学生のうちにロゴをいっぱい作って練習して!」と自主的なロゴ制作をプッシュする声が多数ありました。


一番大変なのはやっぱりロゴじゃないですかね。数をこなさないといけないのもあるし、スピードも必要。連載だけでなく読み切り一つ一つにもタイトルロゴはあるので、そこでいくつも考えて出し続けるのは簡単なことではありません。
新入社員面接でも、マンガのデザインをやりたいという子のポートフォリオをみても作品に一つもロゴがなかったりして、もっとみんな作ったらいいのに! と思いますね(笑)。専門学校のエディトリアルコースでも、文字組、使う紙の種類や造本といった本全体の設計はやるのだと思いますが、ロゴ自体はあんまりなくて。



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『まさみ』から連載がスタートしたので、最初は『まさみ』
メインでロゴを考えた。初期はサブタイトルも入っている



――最近はマンガのデザイナーも注目されているので意外です。ロゴは真っ先に取り掛かっていそうなイメージでした。


課題として夏目漱石や芥川龍之介作品のロゴを作ることはあるみたいですが、それとは別にマンガでも文庫でも音楽でも、何でもいいからロゴ制作に挑戦して欲しいですね。ポートフォリオにそういったものがあると、こちらも「おっ!こんなの作るんだ」と目について、次も会ってみたいなと思います。
10年前はそうでもなかったですが、ここ5~6年はマンガのデザインも注目されていて、今の時代はネットもあるし、そういった意味では今の若者のほうがマンガのデザインに触れる機会も多いので、もしかしたら自分でロゴを考えてみるって難しいかもしれないけれど、大事なことだと思います。


――伊波さんはいつからマンガのデザインに携わるようになりましたか?


僕......僕はですね(笑)、デザインの専門学校を出て車や店舗、ゲーム筐体などに貼るステッカーを作る会社の版下部門にいまして......。何か違うな~と思いはじめ......
もともと漫画も好きだったので、やっぱり漫画に関わる仕事がいいな~なんて考えている時に「フロムA」でベイブリッジ・スタジオの求人を見つけて、始業時間が昼だったんですよ。それで「これいいじゃん!」って(笑)


――昼スタートに釣られた!(笑)


当時は会社まで小田急線で2時間ぐらいの所に住んでいたので、昼から始まる会社なら余裕っしょ! なんて思ってたら全然余裕じゃなかったですね。なにせ夜遅くまで帰れないから(笑)


――昼から始業でも睡眠時間が足りないくらいですよね、きっと。


そうなんですよ~。でもそこからここまでやってきました。僕も最初は全然何にも知らない若者だったので、今の若い子に偉そうなこと言える立場じゃないんです......(笑)。




[ジャケ萌えMEMO]
実はこの内容に加えて、伊波さんに「学生に『これを今のうちにやっとけ!』というものがあれば教えてください」と聞いたところ「特になし」との返答が。 一方で、面接の際に面接先を意識してコツコツと自主制作物を増やしておくことも大切だというお話も。つまりは、マンガに限らず好きなことをやって、でも押さえるべきところを押さえておくことが必要! と感じました。




多忙を極めるデザイナーさんがたに、迷惑を顧みずお願いしたアンケートの回答を紹介していく「突然ですがアンケートを取らせていただいたので紹介させてくれ!」のコーナー。
答えからは、日々頭を悩ませより良い仕上がりを求めつつ、好きなものへの熱い気持ちが見えてきました!



[9]「コミックスのジャケット(装丁)をやりたい」「デザイナーになりたい」と思っている若者に「これだけはやっとけ!」


・書店に行って、目をひく本をチェック!(今でもします)

・思いっきり好きなことにのめりこんでください^^

・今現在の趣味や特技は、デザイナー職に関わらず社会に出てから役立つと思うので、今のうちにトコトン楽しんでください!!(仕事を始めるとトコトン楽しめなくなると言う意味も込めて......)

・ポートフォリオに魂の全てを捧げなさい。

・体力づくり! 大事!

・とにかくたくさん装丁を見て、1日1つでも良いので真似してロゴなど作っておくとポートフォリオにも載せやすいかと。学生時代の課題作品よりも、ロゴが見たいので!


若手の時と同じく「時間の余裕がある今だからこそできること」をやること! そしてポートフォリオはデザインのお仕事では非常に大切だということですね。
伊波さんへのインタビューにもあったように、ロゴはマンガに携わるデザイナーの方々が苦労するところのようです。



[10]先輩によく言われることはありますか?


・デザインがフツーすぎる

・ひょうきん者

・目が死んでいる

・太ったときに「太ったね」と言われます。

・後輩にはよく「お菓子好きですねー」と言われます!

・「あんたネガティブすぎ」

・声がでかい!


予想以上に辛辣だった......!!(涙) 優しくして! お願いだから!!!!



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[11] 好きなものについて教えてください。


・ライブです、次はマドンナを見にいきます。NBA観戦も。現地にはなかなか行けないのでテレビとリーグパス。NBAプレイヤーが来日したら必ず会いにいく。

・梅ブームきてます。干し梅食べながら作業したりしてます。

・スポ魂! 激熱なものが好きです

・好きな音楽はMr.Children、好きなデザイナーは佐藤卓、好きな食べ物はラーメンとじゃがいも、そして何より好きなのは大相撲。

・「劇場版 機動警察パトレイバー」シリーズ(押井守監督)

・仮面ライダー。

・妻、子ども、お酒、薪割り、ガーデニング、汗をかくこと。

・「ハロー!プロジェクト」が好きです!「モーニング娘。'15」「℃-ute」はもちろん、若手の「Juice=Juice」「こぶしファクトリー」、ハロプロ振りコピ男子集団の「むすめん。」まで、まんべんなく好きです! 好きすぎてバカみたいです! 僕はバカたんです!

・最近、アイドルの乃木坂46が好きです~^^ 星野みなみちゃんの動画の癒し力......^////^


アイドルファンはここでも強し!
音楽、漫画、アニメから薪割りまで多彩なのが印象的です。スポーツ好きが意外にも多い!




[ジャケ萌えMEMO]
家庭を大切にしている方やアクティブな趣味に打ち込んでいる方も。仕事に打ち込むだけでなくその他の時間を大切にしているのが伝わってきました。 「ベイブリッジ・スタジオの方々は、いつもものすごい量の仕事を抱えているんだろうな」と思っていましたが、趣味をきちんと楽しむこともお仕事の支えになっているのかもしれません。



今回で「ベイブリッジ・スタジオに聞いてみました!」シリーズは終了です。
ベイブリッジ・スタジオのみなさん、本当にどうもありがとうございました!



「ジャケ萌え!」4冊目 【ベイブリッジ・スタジオに聞いてみました!】
[黒木香編][佐藤千恵編][吉村勲編][小林美樹代編][伊波光司編]



(ライター:川俣綾加)


フリーライター、福岡出身。デザイン・グラフィック/マンガ・アニメ関連の紙媒体・ウェブ、『マンガナイト』などで活動中。著書に『ビジュアルとキャッチで魅せるPOPの見本帳』、写真集『小雪の怒ってなどいない!!』 http://ayamata.jugem.jp/



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【2016/01/ 8】

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