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装丁から見るマンガの魅力!「ジャケ萌え!」7冊目/prigraphics川名潤さん・その1『岡崎に捧ぐ』

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読むだけじゃない、見て触って嬉しい単行本。なんだかカッコイイ! 可愛い、きれい、オシャレ!そんなグッとくる「マンガの装丁」の魅力をお届けする連載企画が「ジャケ萌え!」です。
装丁を見るだけで内容が気になってしまう、そんなたまらない"見た目"をしたおススメ単行本をピックアップし、見どころや舞台裏などを紹介していきます!

連載7回目を迎えた今回はprigraphics川名潤さんにお話を聞いてきました。まずは最新単行本第3集が発売されたばかりの『岡崎に捧ぐ』(山本さほ)。友情や成長とともに、懐かしいゲームやグッズも多々登場する同作。本のデザインができるまでのお話を聞いているうち、川名さんの意外な趣味を知ることができました!


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『岡崎に捧ぐ』


今から20年前、1990年代のある町。作者・山本さほさんの幼馴染・岡崎さんとの友情を描いた。2014年にWebで公開されて以来大きな反響を呼んだ、"ふたりの歴史"を振り返る思い出物語。

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第1話扉絵



──『岡崎に捧ぐ』はnoteで連載していた頃からとても人気でした。


人気でしたね。僕も読んでて面白いなと思っていました。Web漫画って僕の世代からするとインディーズな感じもあって、だからこそ紙の本になった時はメジャー感を出したいと思いました。すでに知名度も高いのでデザインであれこれするよりは、メインの2人を真ん中に据えてロゴもわかりやすく。最終巻までこの構図で続けて、周囲の風景を変えることで2人の成長を見せることにつながると思います。読む人がどの場所か推理できるような景色にしていて、第1巻は駅。もう一つは、この世界観なのでアナログ塗りを山本さんにお願いしました。2パターン塗って、両方から少しずつ拾って合成しています。

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塗りパターン(薄め)



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塗りパターン(濃いめ)



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薄めをベースに、合体!!!



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コントラストをあげて完成。



──よく見たら、両方の塗りが合わさっていますね。


合成してコントラストを上げたりとコントロールしています。ソフト上で塗りたしも少しだけ。フィニッシャー的なこともしています。ノスタルジックな手触りにしたくて本体はボール紙を使っています。

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カバーイラストが川名さんのもとに届いた際、色移りしないように
挟まっていた背景のみのイラスト。本体カバーに印刷されています。



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レイアウトするとこんな感じ。



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印刷所が間違ってウラ面(画像右)に印刷してしまったものの、山本さんの「これいいですね!」
の鶴の一声でウラ面に刷ることに。帯は包装用紙としても使われているキャピタルラップ。



──川名さんが『岡崎に捧ぐ』に共感するポイントは?


僕もゲーム大好きなんですよ。その昔はネトゲ廃人でした。昔は京都の自宅で仕事をしてたんですけど、Macを2台並べて片方で仕事、片方でレベル上げをしていました。だから『岡崎に捧ぐ』を読むと僕もすごく懐かしい気持ちになります。

──ゲーム好きにはまさに理想の環境!(笑)


今はもうやってないですけどね。あまりログインできなくてギルドのみんなに迷惑かけちゃうし。ちなみに「World of Warcraft」という、海外ではマリオ並にメジャーなMMOで、アメリカ発のゲームだからか日本人でプレイしている人は大人が多かったですね。他のユーザーとコミュニケーションをとりながらプレイするんですけど、ある日本人プレイヤーに「この人、業界の近い場所にいるな」と思う人が何人かいて。編集者やデザイナーでギルドを組んでやってました(笑)

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ロゴ案。山本さんの「普通でいい」の言葉により左下の案に決定



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「普通すぎて心配になったのでルビを入れてみました」(川名さん)



──昔からゲーム好きなんですか?


子供の頃なんてゲームばっかりでしたよ。ファミコンソフトは1000タイトル以上発売されているんですけど、たぶん全部やったことある気がする。

──とてつもない数をやりこんでるんですね、すごい......!


本に興味を持ったのもゲームがきっかけと言ってもいいかもしれない。昔はみんな攻略本を読んでました。一番覚えているのが1986年に発売された「ドラゴンクエストI」の攻略本で、武器一覧が確か6ページくらいあったんですよ。ゲームだとドット絵やドットの文字でしか表現されていない「たけざお」から「ロトのつるぎ」までリアルに描かれていて、その時の感動が大きかったです。その翌年に「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」が発売され攻略本が出る前は自分で「はやぶさのけん」など武器の絵を描いてオリジナル図鑑のようにしていました。

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並べると、帯に描かれたイラストがひとつになっていく。ドラゴンボールの単行本であったやつだ!



──ドット文字でしかわからなかった薬草も攻略本だと薬草袋に入って色々と調合してある状態で描かれていて子供心に惹かれますよね。


薬草って頭の中ではただの葉っぱなんですよね。鉄の鎧や鎖帷子も「こんな風になってたんだ!」とわかった瞬間のワクワク。想像で「はやぶさのけん」を描いていた頃の延長戦で今まできているのかもしれません。


ジャケ萌えMEMO
根っからのゲーマーだったことが判明した川名さん。特に「あまりログインできなくてギルドのみんなに迷惑をかけるから」の一言がゲーマーっぷりを表していますね......! ちなみに川名さんが「World of Warcraft」をプレイしていた当時は音声チャット機能がない上に日本語表示もされなくて、ローマ字の日本語でやりとりしていたそうです。



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『岡崎に捧ぐ』は最新第3集が発売されました!



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絶妙に不条理な実録猫コメディ『山本さんちのねこの話』も同時発売!




「ジャケ萌え!」7冊目 [その1][その2][その3]



(ライター:川俣綾加)

フリーライター、福岡出身。デザイン・グラフィック/マンガ・アニメ関連の紙媒体・ウェブ、『マンガナイト』などで活動中。著書に『ビジュアルとキャッチで魅せるPOPの見本帳』、写真集『小雪の怒ってなどいない!!』 http://ayamata.jugem.jp/



「ジャケ萌え!」バックナンバー


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「ジャケ萌え!」2冊目『わたしの宇宙』【chutte】【前編】【後編】 「ジャケ萌え!」1冊目『SEIKI -土田世紀 43年、18,000枚の生涯-』【cozfish/祖父江慎・鯉沼恵一】  【前編】 【後編】


【2017/02/28】

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岡崎に捧ぐ 1
山本さほ

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