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装丁から見るマンガの魅力!「ジャケ萌え!」7冊目/prigraphics川名潤さん・その3『プリンセスメゾン』とジャンルをまたいだデザイン

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読むだけじゃない、見て触って嬉しい単行本。なんだかカッコイイ! 可愛い、きれい、オシャレ!そんなグッとくる「マンガの装丁」の魅力をお届けする連載企画が「ジャケ萌え!」です。
装丁を見るだけで内容が気になってしまう、そんなたまらない"見た目"をしたおススメ単行本をピックアップし、見どころや舞台裏などを紹介していきます!



連載7回目は、prigraphicsの川名潤さんにお話しをうかがってきました。【その2】で紹介した『プリンセスメゾン』の装丁が決まるまでには、担当編集・金城さんとの試行錯誤があったといいます。
一体それはどんなものだったのでしょうか......!?



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──『プリンセスメゾン』の装丁は漫画よりも文芸寄りなビジュアルですよね。最近はキャラクター小説、ライト文芸といわれるジャンルも広がってきて、文庫のビジュアルイメージが変わったのではと思っています。幅広くお仕事されていて、そのあたりの変化をどう感じていますか?


僕はもともとゴシップ誌をやっていて、芸能人のゴジップを病院のカルテ風に作るなどひねくれたページをやることが多かったんですよ。そうしていくうちにパロディな作り、○○風なデザインとか。最初の漫画の装丁は西島大介さんの『世界の終わりの魔法使い』で、岩波文庫っぽくして欲しいという依頼でした。そのあとも「○○風に」な依頼が多くて自分で研究していきましたね。そのジャンルのメインストリームと別ジャンルのメインストリームを交換するようなデザインがすごく多い。

キャラクター小説の仕事はそんなに多くないですが、作るときは文芸の頭で、けれどもそこにラノベ方式でイラストでキャラクターを見せるやり方。イラストはいかにもラノベな絵よりも、文芸とラノベの中間くらいの絵が描ける方にお願いしています。





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2巻からは沼ちゃんが表紙。華やかさをもたせるために沼ちゃんに赤い傘をもたせた。



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3巻ではパーカーで彩りを。



──確かに文芸ってキャラクターの顔を見せてない気がします。


そうなんですよ。長いこと主人公を描くのではなく、読者の想像力に委ねている部分が大きかった。若い読者を獲得しようと集英社文庫が『人間失格』の表紙イラストに小畑健さん、『伊豆の踊子』に荒木飛呂彦さんを起用した頃からそういうのが広がった気がします。


──新しいといえば、川名さんがデザインを手がけた雑誌「Maybe!」のビジュアルも楽しかったです。


1号目である「This!」は雑誌らしい進行で......つまり最悪の進行です(笑)。僕の世代だと10代の女の子向けと聞いて浮かぶのが「Olive」「Zipper」「CUTiE」。とりあえず告知のため「Olive」「Zipper」を合わせたようなロゴを既存書体で作りました。中面はとにかく入ってきたものをテトリス方式で入れていって。とはいってもヘタな人のテトリスですね(笑)。届いた素材を順番にハメていく。うまくハマらなくても「まあ、いいか」でそのまま進めていく。でも結果としてそれが手作業的でユルいデザイン世界を作ることに成功したと思います。ひどい進行とデザインがマッチしたんです(笑)



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──池辺作品の魅力をどう捉えていますか。


どの作品も「個」への絶対的な肯定が必ずあるんですよね。とくに女性が、女性性をもってしてではなく、個として立つということが多く描かれていると思います。だからデザインで気をつけているのは一度女性性を打ち消してみるようにしています。消すというか考えすぎないようにするというか。書店では女性向けの棚に置かれるし編集からも「明るい色で」「ピンクを使って」と言われることもありますが、ジェンダーから脱却したビジュアルになるようにしています。




ジャケ萌えMEMO
「ダサピンク現象を支えた身でもあり、戦ってきた身でもある」と自身を振り返る川名さん。「女性向けの棚に置かれるからきっとこんな感じだよね」とターゲットに合わせたデザインではなく、デザイナー側から提案していくという姿勢が垣間見えました!




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『プリンセスメゾン』単行本第1~3集発売中!




「ジャケ萌え!」7冊目 [その1][その2][その3]



(ライター:川俣綾加)

フリーライター、福岡出身。デザイン・グラフィック/マンガ・アニメ関連の紙媒体・ウェブ、『マンガナイト』などで活動中。著書に『ビジュアルとキャッチで魅せるPOPの見本帳』、写真集『小雪の怒ってなどいない!!』 http://ayamata.jugem.jp/



「ジャケ萌え!」バックナンバー


「ジャケ萌え!」6冊目【ジェニアロイド小林満さん】【その1】 【その2】 【その3】 【その4】 【その5】
「ジャケ萌え!」5冊目『しまなみ誰そ彼』【その1】 【その2】 【その3】
「ジャケ萌え!」4冊目 【ベイブリッジ・スタジオに聞いてみました!】
 [黒木香編] [佐藤千恵編] [吉村勲編] [小林美樹代編] [伊波光司編]
「ジャケ萌え!」3冊目【Design Work of 関善之】
 『白暮のクロニクル』編 『重版出来!』編 『機動戦士ガンダムサンダーボルト』編 インタビュー編
「ジャケ萌え!」2冊目『わたしの宇宙』【chutte】【前編】【後編】
「ジャケ萌え!」1冊目『SEIKI -土田世紀 43年、18,000枚の生涯-』【cozfish/祖父江慎・鯉沼恵一】  【前編】 【後編】



【2017/03/ 2】

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プリンセスメゾン 3
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