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new2019年も全力で無職! カレー沢薫・輝きかけの人生コラム「薫の小部屋」第35回更新!

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<【むしょく 無職】一定の職業のないこと。>
一般的に仕事をしていない人のこと「無職」と言いますが、広くは、学生や主婦を含むこともあり、使う人や場面によって異なります。


プロ無職・カレー沢無職先生が目指す、真の無職の在り方とは......?




◆ ◆ ◆




これを書いているのが、2018年12月21日。ちなみに締め切りは20日だった。これから年末、正月が来るわけだが、驚くほど関係ない。


何故なら、「無職」だからだ。


無職というのは、固定給や社会保険など、ありとあらゆるものを犠牲にして、月?金で出勤などという「前世で幼子の心臓を何個食ったのだ」というような厳罰を免除された身である。
朝荷車に乗って、そういう拷問に向かう者たちを窓から見下ろすことにより、言いようのない将来への不安から何とか自我の崩壊を防いでいるのである。


よって、世間一般の「休日」というのは、無職にとって「固定給と社会保険の失いがいのない日」なのだ。
特に、盆と正月というのは、無職が自我を崩壊させがちである。何故なら「親戚の集まり」があるからだ。
「親戚の集まり」において、無職のポジションは二種類ある。
ひとつは、もうジジイだかババアだかわからなくなっている無神経な親戚に「今、何やってんの」「ちゃんとした仕事に就いた方がいいよ」といじられる「自分がおせちになってるタイプ」の無職だ。
これは、親戚間に話のネタと優越感を与えてやっているのだから、時給を与えるべき無職である。そうなれば、むしろ盆と正月は「無職の稼ぎ時」となるだろう。


そして、もうひとつは触れられない無職だ。その場にいる者、全員がそいつを無職だと知っているが、巧みにそのことには触れられない無職である。
私は、明らかにこちら側の無職だ。前に、無職になってから夫側の親族で集まった時、私は元々話題が少ない奴なので必ず「お休みはいつまでですか?」と聞かれるのだが、その時は全く聞かれなかったのだ。
その時、確実に無職であることを知られていると確信した。


確かに、休みはいつまでと聞かれても「フォーエバー」と答えるしかないのだが、だからと言って「再就職するのか」とか「家で何をしているのか」なども聞かれない。全力で触れないようにしているのだ。
つまり、「アンタッチャブル」という国家の要人のような扱いなのである。


正直、おせち型無職よりはこちらの方がマシである。
「結婚しないの」「安定した職に就きなよ」というような話題は、親戚間でも立派なハラスメントだ。
結婚していなくても、全然充実している人間がいるのと同じように、私のように誇りを持って無職という仕事をしている人間もいるのだ。それをいじったり、笑いのネタにするのは、恥ずべきことである。


よって、私はこの「アンタッチャブルノージョブ」という地位に特に不満はないが、これよりさらに地位が上の無職もいる。
親戚が集まっている間、自室から一切出て来ず、そのことにすら触れられない無職だ。


もはや「神域」と言っていいだろう。私もいつか、ここまで徳を高めたいと思う。





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