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カレー沢薫・輝きかけの人生コラム「薫の小部屋」第4回更新!

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今回のテーマは「漫画家生活」です。
多忙を極めるカレー沢先生の実状とは...!?




◆ ◆ ◆




いきなり皆様の興味ゼロな話で申し訳ないが、この10月で漫画家生活5周年を迎えた。
最近は漫画家を題材とした漫画も増えてきたので、漫画家の生活といえば、頼りになる編集者、ライバル作家、個性豊かなアシスタントたちとの、笑いあり涙ありの人間ドラマと思われているかもしれないが、私の場合、圧倒的孤独である。


まずアシスタントはいない。忙しくなると私にしか見えないアシスタントに手伝ってもらうことはあるが、人はそれを「幻覚」と呼ぶ。
地方に住んでいるので編集者と会うことも滅多にない。連絡は主にメールで、一部の編集者を除き、電話がかかってくることすら稀であり、かかってくるとしたら「連載終了のお知らせ」か「誤植しました、すみません」の99%バッドニュースなのである。
他に電話をかけてくる友人などもおらず、現在、私のスマホは「訃報専用」となっているので5周年を機に解約しようかと思っている。


なら切磋琢磨しあうライバル作家なんているはずないだろうなと思われるかもしれないが、もちろんいない。そもそも他の作家さんに会うことが滅多になく、編集部主催の作家の集まりも全欠席だからである。日程が合わないのもあるが、最大の欠席理由は私が「漫画を読まない」からである。
他の作家さんにお会いしても、相手の作品を読んでいないので「あのキャラ大好きです!今名前は出てきませんけど!」と延々漠然とした話をするか、漫画の話になりそうになったら「私の死んだ母が漫画大好きだったんです! 思い出すから漫画の話はしないでください!」とツイッターの糞リプのようなことを叫び続けるしかないのである。
もちろん面白くないから読まないわけではない、逆におもしろいとわかっているから読めないのだ。


全く売れない漫画家を5年もやってしまったせいで「自分が描いている漫画以外は全部おもしろいし売れる」というノイローゼ状態になってしまい、読めなくなってしまったのである。
しかも雑誌に掲載されている漫画表紙や欄外には常に「アニメ化」「100万部突破」など景気が良いことが書かれているので、そんな物を目にした日には、即ゲロを吐いてしまう。
ちなみにこの景気が良い煽りは、たとえ売れていなくても「大好評」などと絶対入れられるので、もはや私が視界に入れられるページは開運ブレスレットか包茎手術の広告ページのみなのである。
私が今一度、雑誌を安心して読めるように、ぜひ売れていない作品には「絶不評発売中」「次週! 打ち切り!」など正直な煽り入れて欲しいと願っている。
真っ先に私の漫画に入れられることはわかっているが、そこは痛み分けである。



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