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ゆうきまさみ単行本二冊同時発売&画業35周年記念トーク&サイン会レポート【その3】

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『でぃす×こみ』第1集と『白暮のクロニクル』第4集の同時発売と画業35周年を記念して、去る2月7日、21日に大阪と東京でゆうきまさみ氏のサイン会とトークイベントが開催されました。(大阪はサイン会のみ)



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Twitterで事前に募集したゆうきまさみ氏への質問に答える形で行われたこのトークイベントの内容を、全3回に分けてコミスンで公開! 首都圏のTSUTAYAで2作品の単行本を同時購入していただいた読者の中から、抽選で選ばれた200名を前に行われたトークの様子を、臨場感たっぷりのテキストでお楽しみください!!



トーク&サイン会レポート [その1] [その2] [その3]



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『でぃす×こみ』で初めてゆうき氏がBLを手がけたということで、2月末に
金田淳子、二村ヒトシとの共著『オトコのカラダはキモチいい』を上梓した
文筆家の岡田 育(おかだ・いく)さんを司会にトークイベントが進行した。



岡田 育(以下、岡) なるほど。素晴らしい答えを頂いたところで次にまいりましょうか。「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!」


ゆうきまさみ(以下、ゆ) これはけっこう多いね。(質問を引く)


岡 「じゃじゃグルの連載時に、少年誌でのいわゆる"出来婚"を描くことに対して、反対勢力というか圧力みたいなものはありましたか? あった場合、どうやって突破されたのでしょうか。大好きな作品が、よく通ったなという長年の疑問も大きかったりします。」


ゆ これは、さっきの小学館の質問でも言いましたけれど、「こうしたいんです!」「ああそうですか」っていう。


岡 通っちゃった!(笑)


ゆ 「じゃあそれでお願いします」みたいな感じで通っちゃいましたね。


岡 読者からのほうが、こう、「わぁ...」っていう感じがあったりしましたか? 当時も話題にはなりましたけれど。


ゆ 編集部的には、あそこは本当に描きたいように描かせてくれるので。大丈夫なのかということはありますけれどね。それでまあ問題になったりもするんですけれど......。でも、本当にそういうところでは、僕はいままで理由なくというのは変ですけれど、駄目っていわれたことはないですね。
 ちょっと話が戻りますけれど、「バーディー」のときに、神祇官の宇宙船が東京に攻撃をくらわす、というシーンがありまして。これ、実はネームの段階では渋谷に直撃していたんですけれど、その直前に東日本大震災がありまして、ここで被災する都市みたいなものを描くのはちょっと辛いんじゃないか、みたいなことがありまして、編集部と話し合って変えたとか、そういうことはありますけれど......基本的に物語内で完結しているようなエピソードは、だいたい通っちゃいます。


岡 ゆうきさんが最初に描かれたときに、これ反対されるかもな......と思いながら恐る恐る出してみたようなことはあったりしたんでしょうか。


ゆ 考えてもいなかった。なんか「でも必然的でしょ」みたいな。


岡 でも『じゃじゃ馬」は画期的だったと思うんですけれど......そうか......敢えてやりましょう!とかいう感じでもなく。


ゆ 敢えてやりましょう、でもないんですよね。だって馬が出産しているんだから、人も......(笑)


岡 名言頂きました!それはそうですよね(笑)


ゆ 逆に、あれは担当編集と話し合ったときに、むしろ必要だよねっていう様な話をした覚えがあるですよね。



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岡 なるほど。では次の作品いきましょうか。『機動警察パトレイバー』だ、いよいよ。(ゆうき氏、質問を引く)これ、質問なんですかね......「風の谷のあの人と結婚する方法より、特車隊のあの人と結婚する方法が知りたいです」......これなんですかね、心の叫び?(笑)


ゆ 知らないよね(笑)


岡 どうすればいいんでしょう、こういう人たちは。


ゆ 誰でしょうね、これ。羽海野チカさんでしょうか(笑)


岡 本当にですね、どうすればいいんでしょう、我々は。次元を越えて結婚するためには。


ゆ まあ、でも「俺の嫁」っていうのがあるんだから、「俺の婿」があってもいいじゃないですか。


岡 もちろん!


ゆ もう、勝手に結婚しちゃってください!


岡 すごい、1カテゴリー1問のペースでいってるので、『パトレイバー』はこれで終わり?


ゆ 終わりかぁ!(笑)


岡 『究極超人あ~る』です!(ゆうき氏、質問を引く)「あ~るの登場人物で、いま結婚している人を教えてください」......みんな結婚にこだわりすぎじゃないですか!?(笑)結婚以外にもいろんな人生があると思うのですが......


ゆ あ~るの登場人物で......その発想はなかったな......あれ、時間が止まっているからな、86年か87年くらいで。だれか結婚してるかな......鳥坂はできないだろ?(笑)


岡 はい、消えた!みたいな。


ゆ そんな感じですよね。あさのときしだのどっちかが結婚してそうな気がするな。もしかしたら両方とも。案外、さんごなんか結婚しているかもしれないね。あとは、まりぃが結婚してるんじゃね?


岡 いまいくつか、ということを考えると......


ゆ そうなんですよ。


岡 そうですよね、そのほうが自然かも。独身を貫いているイメージのある人というと、あの方かなということを考え始めると止まらないですね。


ゆ あ~ると鳥坂が独身、くらいに思っていればいいんじゃないですかね(笑)


岡 他はまあ何かあったに違いない、みたいな感じですかね。


ゆ 人間だもの!


岡 では『あ~る』もこれで終了となってしまいましたが、とりあえず最後まで走りきりました。いかがですか、結構、何か意外な質問が引かれました。持っていますね。


ゆ なんかね......本当にこの質問でよかったのかというのもありましたけれど(笑)


岡 いくつか戻りますか?


ゆ じゃあ、「でぃす×こみ」と「白暮」をもう一回行きましょうか。いまやっている漫画ですから。



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岡 ではまず「白暮のクロニクル」から。(ゆうき氏、質問を引く)「昨年、ほんナビで『白暮のクロニクル』はあまり長くなりません、というお話をされていましたが、現在の構想ではいかがですか?」


ゆ 一応、予定通りみたいな感じですね。


岡 ネームのストックはないけれど、予定通りということでよろしいでしょうか。


ゆ ......ネームのストックが無いのって厳しいんだよね!結構ね(笑)


岡 けど、きちんとグランド・フィナーレ的なものには一歩一歩......


ゆ 一歩一歩、進んでいると思いますけれど。本当に、そんなに長くはならないです。


岡 ちなみに、「長い」とはどのくらいを意味するんでしょうか。


ゆ 僕の感覚で言うと、やはり10巻以上は長いね。


岡 確かに、『白暮のクロニクル』は1巻ずつエピソードが積み重なっていくという、このスタイルで70巻!というのは想像もつかないので......


ゆ つかないよ!そんなに話を考えられないよ!(笑)


岡 でも、オキナガは長く生きるんだから、連載も長くていいんじゃないかと思ったりもしますが......(笑)。10巻が長いの目安で、そんなに長くはならない、と。


ゆ 最後は、「じつはまだ生きているのです」で終われば、だいたいオチがつきますからね(笑)


岡 今回が、第4集の刊行記念ということで、ちょうど折り返し?いま本誌で連載中のものが第5集にあたりますから、もう一息?


ゆ 10集くらいだと思うんですけれどね。


岡 みなさん、心して読みましょう。まだまだ明かされていない謎とか、ここを描いたならここも読みたい!というところが個人的には沢山ある気がしていますが。後半どうなっていくのか、楽しみです。


ゆ じわじわと......!


岡 では「でぃす×こみ」いきましょう。(ゆうき氏、質問を引く)私が狙っていた質問が来ました!「『でぃす×こみ』を描く前にご覧になられたという、ヤマウチさんチョイスの参考資料のタイトルを、差し支えなければ教えてください」


ゆ 『夜間飛行』だったかな......は、タイトルを覚えているんですけれど、あとの3作くらいは忘れてしましました。(※後から調べたところ、正しくは『成層圏の灯』でした!)


岡 でも、読んだは読んだ......?


ゆ パラパラと読んで、大体わかった!みたいな。わかってないんだけれどね(笑)


岡 これもこの場限りで、ということになるかもしれませんが、ゆうきさんのBLに対する本当の気持ちというのを、最後にうかがいたいなと思っているのですが。『でぃす×こみ』のために勉強された部分と、元々持っていた部分というか、「ここはわかるな、でもここから先はわからないな」というような線引きというか。


ゆ 「BL」と呼ばれるようになってからのは、よくわからなかったんですよね。


岡 だいたい、90年代半ばからだと思いますけれど。


ゆ 80年代は、友達とかが「JUNE」なんかを読んでいまして。昔は「お耽美系」とか言われていたんですよね。そういうのは少し目にしていたのもあって、それが混じっているかなとは思うんですよね。


岡 なるほど、素地として24年組からの「JUNE」があった。「オリジナルJUNE」と呼ばれていた頃のようなものが。


ゆ 『風と木の詩』とかね。


岡 先ほど『ポーの一族』の話も出ましたけれど、ベースにある少女漫画や少年愛、「JUNE」の耽美系作品まではわかるけれど、近年の「BL」については、新たに勉強された部分だということですね。


ゆ BLって、もっとドメスティックな感じがするんですよね。


岡 そうですね。原作ありきのパロディとして「やおい」同人誌を描いていた女性作家が、商業誌デビューしてオリジナル作品も描くようになった頃から「BL」という呼び方が生まれたわけですけれど。『でぃす×こみ』はさらに一歩進んで、こうした作品をBL専門誌ではなく、少女漫画誌で連載し始めた漫画家のお話です。そこが新しい、今っぽい感じがしますね。


ゆ そうなんですかね。


岡 冒頭のシーンで、女性編集者たちが「いまはこういうのを載せないと!」という風にすごく編集長に推しているのとかは、すごく今日的だと思いました。


ゆ ああ、あの。ヤマウチさんの怖イイところはですね......


岡 きました!まさかのそこに戻った!?(笑)



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ゆ そういう風に、僕がBLの素養はないなと思ったから、これを描かせたそうなんですよ。


岡 素養があるからではなく?


ゆ じゃなくて、いまどきのBLがわからないだろうと思ったからこそ。元々は、お兄さんが描いていたのはただの少女漫画と考えていたんですけれど、ヤマウチさんがBLにしましょうと言ったのは怖イイ話。慧眼というか、すごい人です。


岡 でも、「BLがわからない作家が描いている、わかっているBLをわからないまま描き進めている作中の漫画家」という、何重にも入れ子になっている感じがすごくいいですよね。


ゆ ねじくれている感じが(笑)


岡 先ほどの「JUNE」で言うと、クラスメイトの高村君のお母さんが一番よく分かっているみたいな(笑)。こういう人物を出してくるのをわすれないゆうきさん、さすが!と思いながら読んでいました。だから、本当にわからないとあとがきでも書いてますけれど、そういう意味では腐女子も楽しめて、腐女子が何者がわからない人にも楽しめるという作品だと思います。


ゆ これね、1話を描いているときに、誰が喜ぶんだろうと思いながら。あとがき漫画にもちょっと描きましたけれど、本当にアイデア自体は『バーディー』で苦しんでいるときに、現実逃避みたいな話だったんですよ、ヘラヘラと「こんなの考えたんすよ~」「それはいいから原稿描いてください!」みたいなアレだったんですけれどね。それを覚えていて、少女漫画じゃなくてBLにしましょうと言うのが、あの人の怖イイところですね。


岡 きれいにオチがついたところで。


ゆ 自信がなかったのに、びっくりしたよ。


岡 でも、本当に出来上がってみるとこんなにしっくり。そして、いよいよ単行本になってみんなに。


ゆ この、カラー部分がうれしいですね。


岡 完全収録ですもんね。ここもまた、ぜひご堪能いただきたいところですね。


ゆ 皆様のおかげで重版もかかりました!


岡 本当に、書店のどこに置かれていてもおかしくない漫画ですね。こっそりとBLの棚に紛れ込ませておきたいです。


ゆ この表紙のこれが、男の子なのかと言われそうですね。ネクタイもしてるし。


岡 なんだ、女か。みたいな(笑) そこまで了見狭くないですよ、腐女子も! というところでお時間となりましたので、最後にゆうきさんから一言いただければと思います。『でぃす×こみ』『白暮のクロニクル』の2作品について、今後のことなどなど。


ゆ なんというんですかね、一応、誠意を持って描いているつもりではありますので、今後ともよろしくお願いします!という感じですね。頑張ります。


岡 ありがとうございました!



トーク&サイン会レポート [その1] [その2] [その3]



<次回、サイン会と会場展示の様子を写真+動画でお伝えします!>



(コミスン編集チーム・平岩真輔)

【2015/04/ 8】

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